【2019/11/5】『UBIQUITOUS: Enrico Isamu Oyama』 『VIRAL: Enrico Isamu Oyama』刊行記念トークイベント 大山エンリコイサム × 海部陽介 列島と圏域―脱中心化する日本

開催日時:2019年11月5日(火)19:00~20:30/開場18:30
会場:青山ブックセンター本店・大教室
参加費:1,540円(税込)
公式WEBサイト: http://www.aoyamabc.jp/event/ubiquitous-viral/

 

美術家 大山エンリコイサムの『UBIQUITOUS: Enrico Isamu Oyama』および『VIRAL: Enrico Isamu Oyama』の刊行を記念して、大山エンリコイサムと国立科学博物館 人類史研究グループ長で「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」代表の海部陽介のトークイベントを開催します。

戦後の日本は一体となって経済成長し、一億総中流と言われる同質性の高い社会を実現しました。日本列島という海に囲われた国土のなかで、単一の民族・言語・文化によって仮構されるまとまった共同体としての「日本」のイメージを多くの人は抱いていました。2019年現在の日本はポスト経済成長社会であり、以前のまとまりをもったイメージは再考が迫られています。経済格差は人びとの生活実感に差異を生み出し、少子高齢化は未来のヴィジョンを不透明にし、移民社会の到来が少なくない現実味を帯びています。こうして共同体の断片化や多様化が進むなか、新たな日本のイメージを模索する必要があります。

今秋に刊行された美術家の大山エンリコイサムによるふたつの美術館個展のカタログ『UBIQUITOUS』と『VIRAL』に通底するコンセプトは、エアロゾル・ライティングの拡散性です。とくに前者では、ニューヨークで地下鉄のライティングが都市を横断し、異なる民族的・言語的・文化的背景をもつ居住者と接触したコミュニケーション様式およびその発展的再解釈である大山のモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」を、現在のグローバル社会で顕著になりつつある民族・言語・文化・国籍に複数性をもつ生活者や、移民や難民を含むボーダレスに移動するライフスタイルに重ねています。大山は、そうした視点から日本を考える際に、単一の国民国家の境界線を越えて生起する人や文化、事物の移動がかたどる圏域を捉えたいと話します。

人類進化研究者の海部陽介は、3万年以上前の最初の日本列島人の海への挑戦を再現する「3万年前の航海徹底再現プロジェクト」を実行し、成功しました。日本人の祖先がどのような方法で日本列島にわたり、日本列島人になったのか。その際にどのような技術や文化がもたらされ、日本は日本になっていったのか。文化が立ち上がるときの移動とはなにか。日本人の祖先たちが舟を作り、海を渡ろうとするときのスリリングな決意は、芸術の創造に通じるような人類の原初的衝動なのかもしれません。「ラスコー展」の監修も務めた海部は、移動と創造の両方に共通する衝動的欲求の感覚についても言葉をもっています。

異なる角度から人や文化の移動について考えてきたふたりが、列島と圏域というキーワードで日本について考えます。それは安定してまとまりをもったこれまでの日本ではなく、動的で複数的、そして脱中心化する日本像かもしれません。

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