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\本屋しゃんの旅–尾道・山手の茶店「帆雨亭」で志賀直哉とピザトーストと珈琲と。/

投稿日:2020-12-14 更新日:

そうだ、招き猫つくろう。
そう思い立ったのは、昨夜。
きっと、お酒を飲んでいたこともあって、いつもの「いらんことしい」気質に火がついたのでしょう。尾道の山手に位置する宝土寺観音堂にある「招き猫工房」で、招き猫の絵付け体験ができることを知り、すぐに問い合わせてみた。


「突然ですみません。明日、招き猫の絵付けを体験させていただくことはは叶いますか」

翌朝

お店の方から「叶います!」とメールが届いた。
あったかいお返事が嬉しかったなあ。

ひねもすのたりさんを後にした後、招き猫作りまでの時間、山手をぶらぶらお散歩してみることにした。まだ海沿いしか歩いていなかったので、坂道に驚き、感動し、息が切れた(笑)。

下っ腹に力を入れて、坂道をがんばる。
にゃ〜。
(あ、本当に猫がたくさんいるんだ。気持ち良さそうだのお)

「文学の小道」という道標を見つけたので、小道に入って、しばらく歩くと、
「帆雨亭(はんうてい)」という渋い看板が目に入った。時代を超えて、ずっと尾道を見てきたぞという佇まい。どうやら茶店みたい。
好き。

尾道プリンしか食べていなかったから、ちょっと小腹も減っている。
いや、下っ腹にずっと力を入れて坂道を歩いていたから、結構お腹が空いていることに気づく。そして、この息切れしいる自分の心を一度休めるべく、珈琲も飲みたくて仕方がない。ということで、お邪魔することに。

「こんにちは〜」と中に入ると、優しいお母さんが出迎えてくれた。1人だから、隅の方にちょこんと座る。畳に座布団。店内には、志賀直哉はじめ、尾道ゆかりの文化人たちの本がたくさんあった。「おのみち文庫」と名付けられているらしい。

落ち着くなあ。梁も立派だ。ふと、窓の方に目をやると、すばらしい景色が広がっているではないですか。せっかくなので、席を移動させてもらう。いかんいかん、まどろんでしまいそう。

ちりめんじゃことネギのピザトーストとホットコーヒーを注文。

トーストはサクッとモチっと美味しいし、珈琲も深くて香ばしい。手作りジャムがのったヨーグルトの酸味で、疲れも癒されます。もぐもぐむしゃむしゃしながら、お母さんに、はじめて尾道に来たことを伝えて、お店のことや、尾道の歴史などなど、いろいろ親切に教えていただいた。

そして、この窓から見える景色がどのように移り変わっていったのか。
「昔はね、さえぎる建物がなくて、海がもっと一望できたんだよ。」


窓から差し込む外の光が、心地よく眩しかった。


ああ、お腹もいっぱいだし、お母さんとの出会いで心も満たされた。
外で思い切り深呼吸をして、太陽の光を浴びるのはもちろん気持ちいいけど、室内で、内と外が溶け合うところで過ごす時間ってこんなにも愛おしいしのかと感じました。ごちそうさまでした!

にゃ〜。
まどろみ。

百島然り、尾道には神様がたくさんいるんだな。

ところで、千葉市美術館のミュージアムショップ BATICAの選書をしている私は、目下、千葉について勉強の日々。その中で、千葉と白樺派の関係を知り、志賀直哉も、柳宗悦にすすめられてで我孫子に住んでいたことを知りました。だから、頭の片隅に、「白樺派」「志賀直哉」がこっそり住み着いていたので、帆雨帝さんに入ったとたんに、志賀直哉の本がた〜くさん置かれていることに、ご縁を感じたりもしたものです。転居を繰り返していた、志賀直哉は尾道にも住んでいたことがあるのですね。帆雨亭さんの近くには、おのみち文学の館 (文学記念室、志賀直哉の旧居)があったようですが、残念ながら2020年3月に閉館してしまったのですね。寂しさを感じつつも、帆雨亭さんのおかげで、尾道の文学のつながりを、知識としてだけではなく、全身で体感することができました。これを選書にいかさないと!!

紙片さん、ひねもすのたりさん、そして帆雨亭さん。
と、なんだか、わたしの人生に大切なモノやコトやヒトを再認識できる不思議で幸せな旅道中です。

招き猫工房までは、徒歩数分。
もう一回、下っ腹に力を入れて、いざ。

お店情報

帆雨亭(はんうてい)
処:〒722-0033 広島県尾道市東土堂町11−30

※お店の詳細やお知らせはWEBサイト、SNSでご確認ください。
WEBサイト: http://onomichi.sakura.ne.jp/han-u/index.html
twitter: https://twitter.com/onomichi_han_u

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