現代美術家・古賀学さんの「水中ニーソ」は、モデルさんの美しさにほれぼれしちゃって、かわいいでいっぱーい、しあわせーって、正直そこに気を取られてしまいがちだった。そして、フェティッシュについてひたすら考えてました。
しかーし、古賀さんの新作に触れるにつれて、時間/空間、現実/虚構について考えるようになりました。。現在開催中の個展「Buoyancy|浮力」にて発表された新作群もびっくり。ちっこいバスタブに女の子が?! 女の子が、フィギュアに?! え、モビール?天女、天女なのっ??今回は、いわゆる平面だけでなく、立体の作品がたくさん。
女の子がバスタブや箱の中に入れられたり、モビールになることで、その女の子は「わたしのものだもんっ!」感がただようなーって感じながら、平面/立体、現実/虚構と、いろいろな境界線、中尾拓哉さんの言葉を借りればいろんな「/」が混在していてとってもおもしろかったの。これは平面だけど立体だけど平面で、、、これは虚構が現実化したのか、いや、現実が虚構化したのかっ???って、ぐるぐるぐるぐるーと目と脳がフル回転でした。
「本」も実はそうじゃないですか?時間と空間を自由に行き来できるし、現実と虚構が溶け合ってる。
そして、忘れてはならないのが古賀さんは、ZINEカルチャーを語るうえで絶対欠かすことができない方ということ!今みたいにZINEやリトルプレスという言葉がまだなかったころ、誕生前夜、野でミニコミやフリーペーパーを精力的に作成、発信されてきているのよ。1993年にペッパーショップを立ち上げ、個人でフリーペーパー「PEPPER SHOP http://peppergear.com/about/ 」の編集発行をはじめられたの。ん〜かっこいい!!そんな点からも、古賀さんの個展は本好きさんにもおすすめです!
展覧会情報
古賀学「Buoyancy|浮力」
展開催中〜2020年9月26日
処:CLEAR GALLERY TOKYO
Open:火〜土 12〜18時/Closed:日・月・祝