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\哲学を持て:「富野由悠季の世界:ロボットアニメの変革者」@青森県立美術館〜2021/5/9/

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久しぶりの新幹線。
たくさんある乗り物の中で、わたしは新幹線が好き。なぜ?かは自分でもよくわからない。ヒュンヒュンと通り過ぎる、窓の外の風景に、これからはじまる旅への期待が高まるからかもしれないし、もうこのままどこか遠くに、ずっとずっと遠くに行きたいようなセンチメンタルな気持ちすら生まれるのもいいのかもしれない。「727」看板を見つけたときは、なんだかラッキーな気持ちになるし。

「はやぶさ」は、かっこいい。そして車内が快適。
今回の目的地は青森。

青森県立美術館で開催中の
「富野由悠季の世界:ロボットアニメの変革者」展に訪れるため。



正直に告白します。
わたしは、富野監督作品に触れたことはありませんでした。「何かつくりたーーーい」と、無性に手先を動かしたくなった時は、おもむろにガンプラを作ったりするのだけれど、自分が作っているモビルスーツが一体、何なのは知らない。ただ、かっこいい、それだけで選んでいるもので。

随分前に作った↑



そんなわたしが、富野監督の展覧会に行こうと決意したのは、大好きな青森県立美術館で開催されるということと、本展に「トリメガ研究所」(青森県立美術館、静岡県立美術館、島根県立石見美術館の3人の学芸員さんによる視覚文化研究チーム)さんが関わられていらっしゃるから。トリメガさんは、2010年度に「ロボットと美術」展、2014年度に第2弾「美少女の美術史」展、2018年度には第3弾「めがねと旅する美術展」を企画・開催されているみなさまで、トリメガさんの活動を尊敬しまくり&とっても面白くて大好きなのです。つまり、わたしは、富野監督のファンだから見に行ったのではなくて、開催場所とキュレーターのみなさんのファンだからなの。

そして、どうだったかというと……とてつもない刺激を受けました。
おもしろかった!!!

無知すぎるわたしが、見たことがない作品を前にしてついていけるのだろうかと、見る前はちょっと不安もあったのですが、そんな不安は不要でした。

展覧会は監督の少年時代からはじまります。そして、いたるところに「トミノロジー」と名付けられた、富野監督の「哲学」が記されたテキストが展示されていました。はじめて富野監督に触れることになったわたしには、これがとてもよかったです。富野監督とはどんな方なのか、どんな想いで作品作りをされているのか、一つ一つの作品の舞台裏とコンセプトが展示を通じてビシビシ伝わってきました。軌跡や哲学が感じられる展示のおかげで、するするするっと富野監督の世界に入り込むことができたのです。そしていつの間にか、その世界にハマり、うわーーーーこれも、これも、これも、見なくちゃ!と、すっかり富野監督のファンに笑。

作品をまだ見ていないのに、ファンだなんてよく言うよと思われてしまうかもしれないけれど、富野監督の哲学、トミノロジーが刺さりまくったのです。哲学を持つことの大切さを改めて突きつけられました。富野監督の前衛さと強さ、アニメーション・映像作品に対する本気度に襲われ、背筋が伸びて、下っ腹に力が入りました。

わたしは本展に出会うまで、富野監督をほぼ知りませんでした。だけど、「展覧会」を通じて、富野監督と作品群を知ることができて、わたしの「好き」な視点から、その扉を開けることができたことがとてもよかったです。
だから、わたしにとって、「富野由悠季の世界:ロボットアニメの変革者」は、ジャンルの壁を通り越して、アートとアニメーションの接点となった、大切な展覧会です。感謝!!

わたしも、哲学を持って、進むぞ。


いやはや、それにしても新しい扉をあけてしまいましたねえ。
これからガシガシ富野監督作品を見ようと思います。





展覧会情報

富野由悠季の世界:ロボットアニメの変革者

ガンダム、イデオン、ダンバインからGのレコンギスタまで
The World of TOMINO Yoshiyuki : An Innovator of Robot Anime
Gundam, Ideon, Dunbine, Reconguista in G, and more


開催時期:2021年3月6日(土)〜5月9日(日)
会場:青森県立美術館(〒038-0021 青森市安田近野185)

※詳細は美術館のWEBサイトをご覧ください
http://www.aomori-museum.jp/ja/event/92/

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