TRiPの人たちーあお馬・晃・本屋しゃん 企画記事 落語会

TRiPの人たちー柳家あお馬#02
「あお馬 ピアノに挑戦?!」

投稿日:2023-04-19 更新日:

4月某日。
新宿のルノアールでTRiP会議を開きました。第1回目の反省&これからのTRiPのアイディア出しです。

おのおの紅茶やコーヒーを飲みながら、持ち寄った反省点やアイディアをぶつけ合っていると、あお馬さんが「ぼくもピアノ弾きます!」と宣言。

「ぼく❛も❜」。
そうです。TRiPはジャズピアニストとしても活躍する渡邉晃さんがBGMや出囃子を生演奏するという、実は、落語と浮世絵と音楽が濃厚に絡み合った会なのです。しかし、渡邉さんが一人で全場面の音楽を弾いてもらうと、どうしてもバタバタしたり無音になってしまう瞬間がでてきてしまうことに悩んでいました。

そこで、「ぼく❛も❜」なのです。あお馬さんもピアノを弾いて、場を盛り上げようというアイディアです。「今までピアノはほとんど触ったことないけれど、下手でも、間違っても、笑われても、お客さんに楽しんでもらうために挑戦してみます!」 とあお馬さん。あお馬さんの落語会を通じてお客様に楽しんでいただきたいという熱い想いがビシビシと伝わってきます。「超いいじゃん!!」と、渡邉さんも本屋しゃんも、驚きつつも大賛成。いいね、いいねと、わいわいしていると……

「本屋しゃんも…弾きますか?」と、あお馬さんの視線がわたしに。
「お、いいじゃないですかー」と、たたみこんでくる渡邉さん。
「よっしゃー。わたしも弾きます!」、もうやるしかない本屋しゃん。


以下、本屋しゃんの心の声。
いや、待てよ。ピアノは好き、好きよ。
もちろん、渡邉さんのピアノはラブだし、夜な夜なビル・エヴァンスなんかを聴いちゃってるわ。
だけど、小さい頃、エレクトーンの練習が嫌すぎて、3日でレッスンを逃亡したわ。
未だに、何で左右の手の指が別々の動きができるのかわからないわ。
そんな、わたしがピアノに挑戦するの?! 大丈夫かよ。
……
さっきのあお馬さんの言葉。「下手でも、間違っても、笑われてもいいじゃん。お客さんに楽しんでもらいたい」。これだ。かっこつけることはない、お客さんに楽しんでもらって、そしてチームで楽しむことが一番だ。それに、この年齢になって新しいことに挑戦できるのは最高にワクワクするな。

こうして、渡邉さんにピアノの先生になってもらって、あお馬さんを筆頭に、本屋しゃんもピアノを練習しようということにあいなりました。

すると…さすが、あお馬さん! 早速、「練習用の電子ピアノをゲットしました~」とグループLINEにメッセージが届く。この男、本気です。

↑「さて。イチからです……」の図。

下手でもいいから挑戦してみる。
落語の「人間臭さ」という魅力、JAZZの「グルーヴ感」が増して、より良いチーム、良い会に育ちそうな予感がしています。

近々、3人でスタジオを借りて、練習にいってきまーす。
まずは、「きらきらぼし」かな、「ねこふんじゃった」かな。

その模様もまた、ご報告しますね。

【プロフィール】
柳家あお馬 (やなぎや あおば)

1989年神奈川県出身。より多くの人に落語を楽しんでいただきたいという想いから、寄席や落語会に精力的に出演中。失敗しがちな落語の住人に、人間的な愛嬌を感じさせてくれる存在として、魅力を感じている。そんな「落語の可笑しみ、登場人物の愛らしさを素直に表現できるような噺家」を目指している。
WEBサイト: https://yanagiya-aoba.com/
twitter: https://twitter.com/yanagiyaaoba

【TRiPの人たちとは】

「TRiP」は、柳家あお馬(落語家)、渡邉晃(太田記念美術館 学芸員)、本屋しゃんの3人が作る「落語と浮世絵が出会う落語会」の名前であり、チーム名です。それぞれ活動するフィールドは違えど、「落語と浮世絵」をジャンルを横断することでもっと楽しんでほしい! そして、双方の魅力を広げたい! という想いのもとチームを結成しました。「TRiPの人たち」では、あお馬、晃、本屋しゃんが一体どんな人なのか、普段はどんなことをしているのかなど、メンバー三人のそれぞれの活動やなんでもない日常をお届けしていきます。TRiPをもっと楽しんでいただくための、ふりかけのような、そんなブログです。

【これまでのTRiP】

-TRiPの人たちーあお馬・晃・本屋しゃん, 企画記事, 落語会
-, ,

執筆者:

関連記事

【企画記事】往復書簡はじめます。 「わたしたちの南方熊楠-敷島書房と本屋しゃんの往復書簡」

画像:南方熊楠顕彰館(田辺)所蔵 南方熊楠(みなかた・くまぐす 1867年5月18日 ー1941年12月29日)。 明治時代に活躍をした生物学者で民俗学者。熊楠の好奇心と研究領域は、変形菌、きのこ、密 …

【企画記事】手紙3:一條宣好さまへ「強烈な教授のあの講義ではじめて熊楠と出会いました」中村翔子より2020年2月5日)

一條宣好さま 2020年2月5日(水)外はどうやらあたたかくて気持ち良さそうな天気の東京です。床に伏せているわたしは、窓から見える青空に恋しさとともに歯痒さを感じています。 こんにちは。寒中お見舞い申 …

【レポート】TRiPー浮世絵×落語ーの誕生~第1回開催についてー2022年11月19日@仲町の家・北千住~

11月も半ばを過ぎると、随分と日が暮れるのが早い。開場時刻の18時にはあたりはすっかり暗くなり、その暗さが音を吸収してしまったように辺りは静かで、冬の冷たさが身に染みる。時々通る自転車の風を切る音が静 …

\#読書週間 (10/27〜11/9)限定でオンラインブックフェア を特別価格で販売/

10月27日〜11月9日は読書週間です。  終戦まもない1947年(昭和22)年、まだ戦火の傷痕が至るところに残っているなかで「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という決意のもと、出版社・取次 …

笑福亭羽光 越後道中記ー5 【最終回】

2022年。田んぼにピンと水が張られ、青くて若い稲の苗が美しく整列している。これから来る夏を予感させる景色。そんな季節の新潟で、笑福亭羽光師匠の落語会が2つ開催された。 6月12日(日)今時書店落語会 …