あお馬さんの宝物、「林家二楽師匠による紙切り」のステキなお話を受けて、わたしも我が家の紙切りをご紹介。
鈴々舎馬るこ師匠がトリを務められた上野 鈴本演芸場 2023年2月上席夜の部へお邪魔した際に、林家八楽さん(ちなみに、八楽さんは二楽師匠のお弟子さん)の紙切りを楽しませていただきました。とても軽やかで、ポップさもあって素敵だなあとワクワク。いつも寄席で紙切りの注文をしてみたいなあ……と思いつつ、なかなか大きな声を出す勇気がなく、この日も、隅っこでいじいじしているわたし。
その後、八楽さんが黒門亭で「八楽の図書室」と題した勉強会を開催されることを知り、参加しました。寄席と違って高座との距離が近く、お客様の雰囲気もあたたかくて、まさにアットホーム。「最後におひとり、いかがですか~」という八楽さんの声に答え「お花見!」と意を決してお題を出させていただきました。ちょうど桜が咲きはじめた上野公園を横切って黒門亭にやってきたので、自然と口からこのお題が出てきました。それにしても、やっぱり緊張しましたねえ(チキンハートです、はい)。
ちょきちょき、すらすらと紙を切り出していく八楽さん。真っ白い紙なのに、桜の色が見えてきて、お囃子の音まで聞こえてきそうな技に感動です。切り立てほやほやの作品は、まだハサミの動きと音が残ってるみたいで色っぽかったです。紙切りは、完成した作品は平面だけど、パフォーミングアートでもありますね。
これがわたしの人生初の紙切り注文。
大切な思い出です。
(文・本屋しゃん)
【プロフィール】
本屋しゃん(ほんやしゃん)
「本好きとアート好きと落語好きって繋がれると思うの」。そんな想いのもと、さまざまな文化や人や好きという気持ちを「つなぐ」企画を。展覧会/ブックフェア/落語会企画、執筆等。ジャンルを越えて奮闘中。新潟出身、北千住住。バナナ、日本酒が好き。
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【TRiPの人たちとは】
「TRiP」は、柳家あお馬(落語家)、渡邉晃(太田記念美術館 学芸員)、本屋しゃんの3人が作る「落語と浮世絵が出会う落語会」の名前であり、チーム名です。それぞれ活動するフィールドは違えど、「落語と浮世絵」をジャンルを横断することでもっと楽しんでほしい! そして、双方の魅力を広げたい! という想いのもとチームを結成しました。「TRiPの人たち」では、あお馬、晃、本屋しゃんが一体どんな人なのか、普段はどんなことをしているのかなど、メンバー三人のそれぞれの活動やなんでもない日常をお届けしていきます。TRiPをもっと楽しんでいただくための、ふりかけのような、そんなブログです。