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\本屋しゃんおすすめ展覧会−山口啓介+地主麻衣子「新・今日の作家展2020 再生の空間」/

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いやはや、すっかり朝夕は寒くなりましたね。
今朝方寒すぎて、毛布でぬくぬくしていました。
寒い中のぬくぬくは気持ちいですよね。



さてさて、9月22日から横浜市民ギャラリーで「新・今日の作家展2020 再生の空間」がはじまりましたよ。「新・今日の作家展2020」は、横浜市民ギャラリーが開館した1964年から40年間開催してきた「今日の作家展」の理念を受け継いで、2016年より始動した展覧会シリーズです。

2020年は〈再生の空間〉をテーマに、「身近な場所あるいは世界で起こっている事象に向き合い、未来を志向していく行動と日常への関心を喚起するような制作をしている作家」として、山口啓介さんと地主麻衣子さんが招聘されました!


山口啓介さんの作品は地層のようです。
版画や絵画、立体作品、インスタレーションとさまざまな表現方法で作品を発表されていますが、いずれもこれまでの人類の歩みから抽出された人間の生命力の震源とでも言いましょうか、それがネガティブであれ、ポジティブであれ、この地球で人間が生きてきた中での蠢く力が重なっているかのように感じます。いや、決して人間中心の視点の作品ではなくて、自然の中の人間、地球の中の人間というのがしっくりくるかもしれません。そこにあるのは共生と破壊。生きる力の重なり合いとぶつかり合いです。

だから、山口さんの作品に対峙すると圧倒的な生きる力に襲われて、「私もしっかり歩かなくちゃ」と思うのです。

本展では、山口さんも参加されている「地球・爆」プロジェクトの絵画作品の一部が展示されます。このプロジェクトは、岡本信治郎さんを中心に、伊坂義夫さん、市川義一さん、大坪美穂さん、小堀令子さん、清水洋子さん、白井美穂さん、松本旻さん、山口啓介さん、王舒野さんの10人の画家による絵画プロジェクト。20世紀以降に起こった戦争や災害が、地球と人類にもたらすものをテーマに約150枚の絵画が描かれました。全長は200メートルを超え。

もう随分と前になるけれど、本屋しゃんは青梅市美術館で本プロジェクトの一端を拝見しました。10年も前になるかな。時を経て、再び出会えることが楽しみだし、時代と世界が随分と変わり、改めて自分が何を感じるんだろうと、今から思い巡らせています。


横浜では10/11まで横浜トリエンナーレも開催中だから、合わせてまわるのもオススメ!


ちなみに、本屋しゃんは、10/17より東京都庭園美術館で開催の「生命の庭」展で、展示される山口啓介さんの《カセットプラント》制作をお手伝い中。本展もお楽しみにです。

山口啓介さんの作品をもっと見たい!という方は赤々舎さんから刊行されている作品集『山口啓介 -』がおすすめ。さらに広島現代美術館個展時にブルーシープさんより刊行された『山口啓介 後ろむきに前に歩く』は、エッセイのようで、山口さんの言葉にたくさん触れられるのでおすすめです。

展覧会情報

新・今日の作家展2020 再生の空間
地主麻衣子 JINUSHI Maiko
山口啓介 YAMAGUCHI Keisuke

会期:2020年9月22日[火・祝]-10月11日[日] 10:00~18:00(入場は17:30まで)
処:横浜市民ギャラリー 展示室1、B1 入場無料 会期中無休
※詳細はギャラリーWEBサイトをご覧ください


生命の庭ー8人の現代作家が見つけた小宇宙

会期:2020年10月17日(土)– 2021年1月12日(火)
処:東京都庭園美術館(本館+新館)東京都港区白金台5-21-9
※詳細は美術館WEBサイトをご覧ください

https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/201017-210112_GardenOfLife.html


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