2020年8月21日〜30日まで京都のギャラリーKUNST ARZTで鷲見 麿 の画家として“最後“の個展として開催された「新・聖なるファティア/New Sacred Fatiah」の図録が、本屋しゃんの本屋さんに仲間入りしました!
同展の企画者であるKUNST ARZTのオーナーで現代美術家の岡本光博さんの言葉をお借りすれば、鷲見麿さんとは、「名古屋(岐阜生まれ、三重在住)を代表する孤高の奇才画家であり、生き様そのものもアーティスト(時には、アート・テロリストのような顔も・・・)」です!
本書冒頭に掲載されている、鷲見麿のテキスト「スミマロの最後の絵」を読むだけでも、鷲見さんの生き方がいかにしてアーティストそのものであることがひしひしと伝わってくる。14歳で画家になることを決心。その後、我が子を授かって育児をしたり、ひきこもりなどの若者たちのために創設した「フリースペースめだかの家」などの活動を経て、若い頃よりアートの定義にこだわっていることに気づき、アート以外の領域、日常生活にもその価値観を見出すようになっていったと言います。
そんな鷲見麿さんの2009年以降のシリーズ「新・聖なるファティア」は、15世紀北欧のルネサンスを代表する画家ファン・エイク兄弟の作品を模写しています。これらの作品は、卓越した画力を持って、‘超‘超絶技巧で完全再現。緻密に再現していてすごいな〜と感動して、さらに目を凝らして見ると、画面のひび割れをも再現していることに気づき、もはや、感動を通り越して、鳥肌が立ちます。
完全再現だけではありません。本シリーズで見逃せないのが、異なる画風が1つの作品に共存しているところです。鳥肌ものの完全再現の画面の隣には、なんとも伸びやかで明るく元気のいい画面(協働関係にあるリツコさんが描いた部分)と、色とりどりなガラス片が散りばめられたモザイクの画面。一見、相容れないような3つの画風が組み合わさり、作品は構成されています。不思議とそれぞれの画風が喧嘩することなく、滑らかに地続きに溶け合い、心地良いです。一気に3つの異なる画風が心地よく襲ってくると、絵画とは何ぞや? の答えが垣間見れそう。のびのびした筆致も、細かすぎるひび割れも、キラキラ輝くガラス片も、表層は異なれど、もしかしたら一緒なのかもしれません。
鷲見麿の画家としての‘最後‘の古典の貴重な図録です。
下北沢のBOOKSHOP TRAVELLER、そして本屋しゃんの本屋さんのオンラインストアでお買い求めいただけます。
ぜひ、スミマロ最後の絵をお手元に置いて楽しまれてください。
それにしても、岡本さんにはいつもヤヴァくて最&高なアーティストを教えていただく。というか、岡本さんご自身がヤヴァくて最高なんだよなあ。
「新・聖なるファティア/New Sacred Fatiah」展について
鷲見 麿 個展
SUMI Maro Solo Exhibition
新・聖なるファティア
New Sacred Fatiah
2020年8月21日(金)から30日(日) ※終了しています
※詳細はギャラリーWEBサイトをご覧ください
http://kunstarzt.com/Artist/SUMI/Maro.htm
⭐︎発見!⭐︎美術評論家 福住廉さんによる本展レビュー
https://note.com/fukuzumiren/n/nbd3a454c5c09
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いらっしゃいませ〜。どうぞごゆるりと。
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下北沢駅中央口を出る→ピーコックの前を右に真っすぐ歩きます→突き当りまで歩きます→突き当たったら左に曲がりましょう→バロンデッセというカフェがあります→そのビルの3階です(バロンデッセの隣にはカレー屋さん、ビルの二階は古着屋さんというわくわくがいっぱいのビルです)。
155-0031
東京都世田谷区北沢2丁目30−11BALLOND’ESSAI ART GALLERY 3F 奥
営業日
月・火・金~日 12:00-20:00(木は一日店主がいるときのみ営業)
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