ハロー2月!
2月ですよ。
内輪ネタですが、今日は母の誕生日!おめでと〜〜〜。
なかなか新潟に帰省できていなくてさみしいけれど、不定期で届く「実家便」で届く、母の手料理がいつも楽しみな本屋しゃんです。まだまだ越えられぬ、いや、一生こえられぬ、いやいや別に越える必要のない母の味。こんなに愛情たっぷりな味を作ることができるように、日々精進です。
ふらっと近所をお散歩していたら、お花屋さんにも春を感じるお花が揃いはじめていました。2月は、草木の芽が張りだしはじめるから「草木張月」とも呼ばれるそうです。草木が張るっていい言葉ですね。伸びやかな生命力を感じます。
そこで、黄色くて、まぁ〜〜るくて、ポンポンしてて、背が高く、すっくとした立ち姿が美しいいお花を発見。「か、かわええ〜〜〜〜」と一目惚れ。(ところで、わたしは「すっくとした」という言い回しも好きなんだ。確か、夏目漱石の小説に出てきて、おお、こりゃいい、とおもったのだけど、「すくっと」じゃないの?と指摘されることも。調べよ〜)
オーストラリア原産のクラスペディアというお花。別名に、ゴールドスティック、ドラムスティックなんて言うらしい。にくいなあ。花言葉は「永遠の幸福」「心を扉を叩く」ですって。これから何かがはじまる!そんな気持ちにさせてくれる春の訪れにふさわしい。
こうしていけると、お酒飲みながら、他愛もない話を楽しんでいるように見えてくる。そんな姿を見ていたら、この2冊が頭をよぎったの。
古谷三敏『BAR レモン・ハート』(双葉社)
さだまさし『銀河食堂の夜』(幻冬舎)
『BAR レモン・ハート』は、BARのマスターとお客さんたちの会話とお酒のうんちくがギュッと詰まってる1冊。他愛もないような会話なんだけど、いろんな人の人生がそこにはあって、マスターがそれにあたたかく耳を貸して、すっとお酒を出す様子は、時に涙さえ誘われる。マスターと話したくて、美味しいお酒を飲みたくて、いろんな人が集まる場所。
下町の人情のまだまだ残る、葛飾は京成四ツ木駅にほど近い四つ木銀座の中ほどに小さな飲み屋があります。
あの震災から二年ほど経った年の、普段より遅い桜も散り終え、露地の花水木が満開の頃に忽然とその店が現れました。
その店の名は「銀河食堂」。
さだまさし『銀河食堂』8頁より
『銀河食堂』にも、人が集まってくる。食堂という名がついているけれど、スタンド式の居酒屋さん。格別に愛想がいいわけではないけれど、無愛想ではない。鼈甲ぶちのめがねにチョッキ姿のマスターが迎えてくれる。お客さんは、そんないい距離感のマスターに、これまた、いろんな人生の話が語られるわけです。ここも、マスターに話したくて、おいしいお酒と、おいしい肴をつまみに、今夜も誰かがやってくる。
どちらの本も、マスターとお酒のまわりに、人が集まってくる。人と一緒に、その人の人生もやってくる。他愛もないけど、それぞれの人にとっての小さな幸せや寂しさなんかが渦巻いてるんだ。
いいなあ。
おいしいお酒と肴と、耳を傾けてくれる人がいる場所。
話さなくても、そこにるだけで、聞いてもらえている気持ちになる場所。
いろんな人の居場所。
わたしも、お酒を飲みながら、おいしい肴をちょいとつまんで、話すのが好き。
旅先で、一人カウンターに座って、マスターにその街のことを教えてもらうのは格別だし、行きつけのお店で、「あ〜〜今日も疲れたよう」とウダウダ甘えるのも好き。
しかし、近頃はそういうわけにもいかない。
しかも、まだまだ「そういいうわけ」ができない状況が続きそうだ。
酒と肴と耳を傾けてくれる人がいる場所。
そこでの他愛もない幸せが早く戻ることを祈って。
2月もみなさんにとって素敵な月になりますように。