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\本屋しゃんおすすめ展覧会:風間サチコ「ディスリンピアン 2021」~2021年11月20日@墨田区江東橋・無人島プロダクション/

投稿日:

単刀直入に!今日2021年11月20日(土)までです!!

風間サチコ 
「ディスリンピアン 2021」
@無人島プロダクション

今回の個展は2018年の超大きな木版画《ディスリンピック2680》から派生した作品群が展示されています。ディスリンピックに出場する9人のアスリート《ディスリンピアン九軍神》。

《二条曲也》《怪力モツ太郎》《両毛超特急》…などなど 、個性派ぞろいの九軍神。
それぞれの「キャラクター」として容姿が際立っていて、子どものころ駄菓子屋さんに通って、お菓子についてくる〇〇カードとか〇〇シールを必死で集めていた時の感覚がふと湧いてきて、なんだかコンプリートしなくなってくる。各アスリートがキャラクターとして際立っているのは、見た目だけでなく、その名前、そしてバックボーン、プロフィールが大きな要因でしょう。プロフィールを読みながら進むとキャラクターのキャラがより立ち上がりおもしろさ倍増。ぜひ、読みながら鑑賞することをおススメしたい。しかし、プロフィールを読み込めば読み込むほど「九軍神」という人物たちが、わたしたちが生きる世界の映し鏡のようで、おちおち笑ってばかりもいられず万感交到る。

さらに注目は、今回は木版絵画ではなく、「アルミ箔」に描かれているということ。
大きなスポーツ大会といえば、金銀銅を想起するけれど、あえてのアルミ箔。
本屋しゃんは鮭のホイル焼きなんか好きで、アルミにはよくお世話になっていますが、なんでしょう、鮭の下ではなく、絵の下に、アスリートの下に敷かれているアルミ箔はなんだか心もとなく思えてしまいます。ギラギラツヤツヤしてるのに、アルミと分かった途端に切なくなるのはなんででしょう。破れないかなと、急に老婆心が沸き起こるのはなぜでしょう。急に、9人のアスリートたちがぐっと身近に感じられてしまう、アスリートとて生きた人だと愛おしくなるのはなんででしょう。

みなさまも、ぜひ、 《ディスリンピアン九軍神》 たちに会いに行ってください。

風間さんについて、そして「ディスリンピック」についてもっと知りたいよという方は、朝日出版社より刊行の『予感の帝国 風間サチコ作品集』がオススメです。

その後、本屋しゃんは歩いて両国の「江戸東京博物館」に行きました。もう夕刻もすぎていたので、閉館後なのですが、今回の目的は展示ではなく「落語」。三遊亭ぐんまさんのひとり会「冬ぐんま」!「夏ぐんま」で前売りを買ってからずーーーーっと楽しみにしていました。ぐんまさんは、わたしが落語好きになるきっかけとなった方。学生時代に「笑い論」や「落語論」「遊戯論」などの授業を履修していたこともあって、そもそもの出会いはそのころなのだけど、実際の現場で「落語ってこんなにおもしおいんだ!」と思わせてくれたのがぐんまさんでした。今回のひとり会では、新作の「メリクマ」「新・三国志」そして、古典から「鰍沢」の三題。風間さんの個展からの落語は、また格別でした。アートと落語の共通点をあげるとしたら、観る者の想像力を掻き立ててくれてるところですね。 と、まだまだ考察の余地ありまくりですが、昨今、アート好きや本好きは落語が好きになるのではないかという想いがわいているので、引き続き、落語も楽しんで、わたしのこの気持ちをもっと適格な言葉で伝えられるようになろうと思う次第です。

ちなみに、わたしは風間さんのブログ「窓外の黒化粧」が大好きで、愛読をしております。日々のこと、古本のこと、などなど。じわじわきます。風間さんの言葉と文章はぶっとくて、深くえぐってくる。作品同様に大好きです。SNS時代にタイムラインをしゅしゅしゅ~とスクロールするのもいいけど、ぜひ、「ブログ」をスクロールではなく「読む」のも乙かと思います。
あ、本屋しゃんのブログも引き続きよろしくお願いします(更新頑張れよ、わたし)。

では、今日もステキな土曜日を~。

展覧会情報

風間サチコ
ディスリンピアン 2021

会期:2021 10.30 – 2021 11.20
会場:無人島プロダクション(東京都墨田区江東橋5-10-5)

※詳細はギャラリーのWEBサイトをご覧ください
https://www.mujin-to.com/exhibition/%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%b9%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%83%94%e3%82%a2%e3%83%b3-2021/

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