春が立つ。
そう、いつの間にか立春がすぎましたが、まだまだ寒い。
しかし、時は止まらずに動いていて、春はきっと近し。
時が経つ。もう自分でも嫌になるくらい「ああ、時間が経つのは早いね」なんて言葉を使ってしまうわけですが、そう、いつの間にか時間は過ぎゆき、歳を重ねていくのですよね。
『tattva』vol.04の特集は「どうやって歳とる? お手本なき世界で。」です。
というか、もう4号目だ! 早いなあ。あ、また言っちゃった。
今号でもトリメガ研究所さんの連載「トリメガは語る」の構成を担当いたしました。
光栄なのことです。
トリメガ研究所さんは、島根県立石見美術館、青森県立美術館、 静岡県立美術館、 の学芸員さん3人による視覚文化研究チーム。ですが、 2021年9月末日にトリメガ参号の村上敬さんが、静岡県立美術館から東京藝術大学大学美術館に移られました。同大学は、岡倉天心の興した「東京美術学校」以来、日本近代美術史を編み上げてきた場所です。明治から昭和初期までの日本の油彩画や水彩画、そして工芸を専門にされてきた村上さんは、さらに日本の近代美術・工芸を勉強したいという想いで、50歳で転職です。
今回の「トリメガは語る」は、そんな参号 村上さんの転職のお話からはじまります。結成からずっと地方の美術館3館で活動を続けてきたトリメガ研究上さん。壱号と弐号は、参号の東京の美術館への転職をどのように感じているのでしょうか。学芸員として働き続けることとは? そして、時代の変化さらにコロナ禍で変わりゆく美術館、学芸員の仕事の仕方とどのように向き合っていくか、3人の想いをそれぞれの美術館の活動の実例を交えながらお話しいただきました。
お手本がない世界だけれど、トリメガ研究所さんのお話が、読者のみなさまの「歳のとり方」を考えるヒントにつながれば嬉しいです。
ちなみに、本屋しゃんが選書&本棚づくりを担当している千葉市美術館のミュージアムアショップ BATICAでは『tattva』の創刊号~最新号の第4号まで全号取り揃えています。好きなみなさまに、ぜひ『tattva』を「トリメガは語る」がとどきますように。