また発熱をしている。
福岡から帰ってきたら、急に寒気がして、熱を測ったら38度。
夜になるにつれてみるみる熱があがり39度に達した。
頭痛もひどく、うまく眠れない。室温が熱いのか、わたしの体が熱いのか、体内外がトロトロに溶け合う。
身体は汗ばみじっとりと重たい。ああ、霊魂だけ抜けだせないものかと思ってしまう。
福岡を飛び立つ前にラーメンを食べた。
福岡空港にはラーメン滑走路という、ラーメン横丁があり、全国のラーメンの名店が軒を連ねている。
この横丁、いや滑走路で
「博多 一幸舎」さんのラーメンをいただいた。
わたしはラーメンを食べない。
正確に言うとラーメンを食べないようにしている。
「ラーメン食べたい」が本音である。
しかし、太りたくないわ、という気持ちが勝り、避けてしまっている(炭水化物を避けちゃうやつ)。
だから今回の福岡の旅も、最後の最後までラーメンは回避していたのだが…
「福岡に来たのだからおいしいラーメン食べたい! 博多ラーメン食べたい!」
と、ラーメン好きなteshが懇願してくる。わざわざ福岡まで一緒に来てくれたのだ、
この想いを無下にするわけにいかない。「ラーメン回避スイッチ」をオフにして、旅路の最後に一緒にラーメンを食べることにした。
teshがここだ!! と調べてくれたのが「博多 一幸舎」さん。
「元祖泡系だよ!」と勧めてくるが、わたしにはピンとこない。
フライトに合わせて早めに空港に到着。
午前10時。
ちょうどお店のオープン時間だったので、ブランチにしようと、すぐにラーメン滑走路に向かったのだが、すでに列ができている。
なるほど人気店であることが分かる。
入口で食券を購入し、カウンターに2人で並んで座る。
ラーメン、バリカタ。
あと生ビール。
まずはビールで数日間の旅の疲れを流す。
ほどなくしてラーメンがやってくる。
確かにきめ細やかにスープが泡立ち、なんだか美しい。
いただきます!!
2人で声を合わせて、いざ、一口すする。
「んま~~~~~~~」
とteshの幸せそうな笑顔。次から次へと口へ運び、勢いよくすする、いやすすりまくる。
確かにおいしい。
ふわふわのスープにツルっとコシのある麺が絡まって最高である。そして飽きがこない旨味よ。
わたしが未だ半分も食べていないうちにteshは替え玉を注文。
止まらない箸。「んま~~」を連呼。
おいしそうに食べる人は気持ちいいし、一緒に食べていて楽しい。
普段なら高カロリーなモノやTHE 炭水化物を食べると、ああ~~~食べてしまった~~~と罪悪感に駆られてしまうのだけれど……。
幸せそうにラーメンをすするteshを見て、幸せになった。
頑なに回避し続けているラーメンも、こんなに幸せな気持ちになれるならたまにはいいかもな。
「ラーメンたべたい うまいのたべたい 今すぐたべたい」
無心でわき目もふらずラーメンをすする気持ちがちょっとわかった気がする。
と、そんなラーメンを堪能した矢先の発熱。
ここに何の因果関係もなかろうが、良いことも悪いことも、人生は次々に流れていくものである。
元気になったら、また、うまいラーメンに連れて行ってください。