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【レポート】MIOKO個展 「だいたい四〇〇年くらい布団の上」@仲町の家・北千住2025年12月6日(土)~12月21日(月) 

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畳の上を歩く感触は土を踏みしめているそれに近いようでもあって気持ちいい。
だがしかしである。冬のそこはべらぼうに冷たくて、分厚い靴下を履いていてもつま先がピンと上を向く。冬の底からちょっとでも浮けるように。
お昼をちょっとすぎると、太陽の光があたたかく差し込んで影が室内にくっきりとした線を描く。かじかむ手をこすりながら、相変わらずつま先をピンと立てながら、この時間が好きだなあと意識を中空に浮かんでみる。

MIOKOの個展はだいたい冬でだいたい畳の上。
今回の個展「だいたい四〇〇年くらい布団の上」も冬の畳の上で開催した。2025年に開宿400年をむかえた千住宿。会場である仲町の家は、千住仲町エリアにある戦前に建てられた日本家屋。千住のまちをつくった重要人物のひとりである石出掃部介吉胤のご子孫が大切に守ってこられたお家で、いまでは文化サロンとして、ご近所さんから文化活動をする多くの人にとっての「場」になっている。本屋しゃんもこの「場」にお世話になっているひとりで、「TRiPー落語×浮世絵ー」や「遅四グランプリ」を軸に活動中。

MIOKOが千住で個展をするのは2回目。2022年に、今はなき「家劇場」で1週間、巨大漫画を滞在制作した。漫画のテーマはいろいろな人からテーマを募り、それに応えて漫画を描いた。日ごとに完成する巨大漫画を展示していくとこくこくと表情が変わり、最終日にはじめて展示作品がすべて完成し、展示空間も完成する、会期中に変化をしていく個展だった。
「だいたい四〇〇年くらい布団の上」は、千住宿開宿400年を記念して、より千住の町に寄り添った展示をすることに。MIOKOが千住の町を歩いて描いた漫画を千住の伝統工芸である地口行灯をリスペクトして漫画行灯化することに挑戦した。しかも、漫画行灯を滞在制作。

 
 
 
 
 
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木枠に障子紙を貼って、そこに墨で千住を散歩して描いた漫画を描いていく。
和紙に滲む墨がいい感じ。ぼーっと散歩した時間が溶けていった感じがそこからも感じられる。
仲町の家も時間の流れが外の世界とは違って有体に言えばとてもゆっくりした時が漂っている。もはや時計を見ることを忘れて、長針も短針も秒針も用をなさなくなるから(実際、居間の時計は止まっている)、妙にMIOKOのぼーっと散歩した時間と和紙に滲む墨の感じがとてもあう。

畳にブルーシートがなんとも似合わなくてなんとも似合う。
MIOKOは相変わらず畳が似合う。
そして相変わらず筆が早くて着々と漫画行灯を完成させる。

ぼ~っとしている人たちのぼ~っとしている雰囲気がよくわかるわねとマダム。
この風景知ってる。
この公演はどこにあるの?
今年も花火なかったね…。

なんでもない散歩の得体のしれない考えや気持ち。
MIOKOにとって千住は非日常かもしれないけれど、その非日常を持った視点で描かれた漫画が誰かにとっての日常につながっていった。

似顔絵やさんも開催した。2025年2月に根津の直会での個展「布団の虫干し」ではじめて開催した似顔絵やさん。以来人気企画。MIOKOのオリジナルキャラクターである「まめこ」風に仕立てる似顔絵だ。みんな「まめこ」になるのに似ている。ゆる似。

耳の形と輪郭をいかにとらえるかがミソとのこと。
こちらもやはり筆が早くて5分もしないうちに描き上げてしまうMIOKO。
瞬時に相手の特徴をつかんで、線に落とし込んでいくのはさすがである。

MIOKOのライフワークである『だいたい布団の上』シリーズの最新漫画の原画も展示をした。@ お茶室。このお部屋から見るお庭はそれはそれは美しくて紅葉がひっそりと彩を添え、雨の日は濡れる緑が艶やかで心落ち着く。

床の間に掛幅のように漫画原画を。その傍らに、「だいたい四〇〇年布団の上」の原画を。モニターにはMIOKOの落書き帳をパラパラ漫画風にした映像を。思い思いにお座布に座ってぼーっと映像を眺めたり、漫画を読むのに上下運動したり、お庭を愛でたり……それぞれの時間を自由に過ごしていただいている様子が嬉しかった。お散歩倶楽部のご一行は、テーブルを囲んで健康について語り合っていたな。近くの保育園のちびっこたちはちょこねんと座って、大人たちの心をかっさらっていたな。

漫画は「わかります」「これわたしもやらかします」と、ここでもまた誰かの得体の知らない気持ちやなんでもない日常と呼応した。

日が落ちた後もまた乙である。朝から晩までどこを切り取っても美しい仲町の家が憎い。
外が暗くなってきたころに漫画行灯にあかりを灯す。ほわ~っと内側から照らされる漫画はよりぼーっと感を醸してくる。

個展最終日前日。制作を予定していた漫画行灯がすべて完成!
日に日に行灯が増えて、部屋がにぎやかに。

 
 
 
 
 
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最後の漫画行灯を設置の時。

展示がはじまったころとずいぶん空間の表情も変わってまるで千住の町並みを歩いているかのような心持ちになった。

さて、だいたい畳の上にいた展覧会の様子はだいたいこんな感じ。たくさんここからこぼれちゃってる細部もあるけどだいたいこんな感じ。

会期中はご近所さんをはじめたくさんの方にご来場いただきありがとうございました!!おかわり鑑賞の方もたくさんいらしていただき嬉しかったです。

来年もきっと、寒い冬の最中に布団の上でお会いしましょう。

舞台裏

仲町の家でのお昼ごはんは近所から出前を取るのが定番。寒い毎日…食べたくなるのはあたたかいお蕎麦。「寿屋」さんと「柏屋」さんから出前をとって、みんなでハフハフズズズッと蕎麦を頬張った。
氷川神社で餅つき大会が行われたときはお餅をいただいた。
この町に生かしてもらっている。

ウナギトラベルさんにご来場いただき、MIOKOがウナギの親玉みたいになった瞬間。

展覧会詳細

MIOKO個展 「だいたい四〇〇年くらい布団の上」
会期:2025年12月6日(土)~12月21日(日)
※土・日・月のみ開室日。12/6、7、8、13、14、15、20、21の計8日間
時間:10:00~17:00
会場:仲町の家 (〒120-0036 足立区千住仲町29-1)
※畳のお部屋です。靴を脱いでお上がりいただきます。
アクセス:北千住駅より徒歩約10分 
入場無料

https://honyashan.com/welcome/mioko-daitai400nen/

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