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本屋しゃんの2023年のメモー3月編

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twitterで投稿した内容をほぼそのままに「展覧会」「落語会」「本」の感想を一覧メモとしてまとめています。

3月1日
梅崎春生著、荻原魚雷編『怠惰の美徳』(中公文庫)。きっと誰もが持つ怠け欲。本書は滝になりたい、蝙蝠の姿勢でいたい、とか美しき怠け作法が記してある。もっと楽に生きていいんだよと真っ向から言うのは、こそばゆいけど、おどけながらそんなことを伝えてくれる。疲れてんなーって時にぜひ。

3月3日
faeruに誘ってもらってRyotaDaimon+安部悠介「こころのこえ」@ CON_・日本橋馬喰町へ。剥き出しの空間に2人の作品の相性が良かった。ストリート、インターネット、90s、遊戯王カード……そんなカルチャーを背景に描きたくて仕方ないという衝動がほとばしってた。https://contokyo.com/voice-of-the-heart/… 〜4/2。

3月8日
ツキイチ上方落語会。気力と体力が盛り盛りの会だった。喬介さんの柔らかさの中に一寸黒を感じるリズムが好き。隣席のご夫婦が仲良しで、お前寝てたやろ、寝てないわとか言いながら笑いあってるのが良くて、そんなのもひっくるめてあたたかい気持ちになれた。思い出には本編以外の記憶も大切だと思ふ。

3月10日
「AUGMENTED SITUATION D」 Simon Weckertさんの「A(i)R Pollution」@ shibuya-san。アプリを通じて鑑賞すると、黒いフレーム(1日に吸う空気量の体積)内の植物の呼吸が見える。観光支援施設での展示故に他者との関係性や影響、そして責任についてより考えさせられる。https://augmented-situation-d.org/jp〜3/21

Enrique Medinaさん個展「Calle Oníria」@スペイン大使館。東京のストリートのテクスチャが浮かび上がって、街では埋もれてしまう小さな物語が際立って自律していた。外光がよく入る白い部屋とモノクロームの写真のコントラストが気持ちよかったな。元気なエンリケさんと嬉しい再会でした。〜3/10。

林家八楽さんの紙切り独演会「八楽の図書室」へ。わたしの人生初の紙切り注文「お花見」にこたえていただいた。色も匂いも音も漂ってくるかのよう。切り立てほやほやは、まだハサミの動きと音が残ってるみたいでドキドキした。音楽に合わせての紙切物語はずっと見てたいやつ。次回は4/14だよ。

3月11日
浅野ひかりさん個展「丸い地球の模様替え -仲町の家-」。本来の役割から解き放たれた家具たち。まさか炬燵自身も宙に浮いてこんなに目を回すことになるとは思ってもなかろうに。コロッケそばのコロッケ的な。子どもから大人まで楽しめちゃうのが素直によかったhttp://is.gd/2tyJQR 〜3/27。

3月12日
渋谷らくごの「はやおきやくご」 朝からパンチあって楽しかった。 寸志さんの「死神」の編集が好き。最後、ドキッとされられながらも、どこか爽やかなのがお気に入り。 #シブラク

勝倉大和さん個展「勝倉大和の字遊」展@ギャラリールモンドさん。世界を言葉で認識する私達。言葉から文字を抽出して、絵で遊んでいる様子はこの世界の認知力を圧倒的に押し広げてくれる。だまし絵にも見えてくるからとても楽しいhttps://galerielemonde.com/exhibition 〜3/12

3月15日
エリカ ワードさんが参加している「PLACEMAKING ART in SHIBUYA」のLIVE PAINT@渋谷駅西口 工事仮囲。エリカさんの絵は花の中に渋谷の街が立ち上がってた!それぞれの絵に境界線がなくて溶け合ってるのが素敵で、いろんな背景を持った人が集まる渋谷らしくていいな。https://x.gd/dcZnN @TokyoDex

わたしもちょっぴり塗らせていただきました。貴重体験ありがとうございました。楽しかったです。LIVE paintは3/23まで。その後3/25から渋谷スクランブルスクエア2Fの館外通路に展示されるとのこと。お見逃しなく。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000112276.html…

3月17日
柳家あお馬さん+ゲスト三遊亭好二郎さん「寄ってっ亭」@ひらい圓藏亭へ。地中からぐわっと立ち上がってくるかのような力強いあお馬さんの落語、軽やかで精彩な好二郎さんの落語。お二人の色が素敵に協奏していて楽しかった〜。次回は4/21でゲストは茶光さん。平井も素敵な街ので、ぜひ寄ってって〜。

3月18日
カンカンフェス! ちりんさんブースで秀月さんの熱燗。 んまーーーーっ。 冷えた体が芯からあったまる。ごちそうさまです@dada3701 @kariba1_syuzo #kankanfes #カンカンフェス

3月19日
『あつかんファン』第1号。いちいち企画がおもしろいZINE。「熱燗ディスクガイド」「熱燗ポエム」…何してんの笑とツッコミつつ納得しちゃう。蘊蓄や知識を詰め込むのではなく楽しさを伝えてくれるから、ますます熱燗が飲みたくなる。DJと熱燗の共通点は心理的コラージュだと、DJ yudetaroさん。合点。

#カンカンフェス もいろんなコラージュが勃発してましたね。寒い中、最高にあったかいフェスを開催してくれた主催者様、スタッフの皆様、御燗番、フードの皆様、ありがとうございました。どうか風邪をひかれぬよう。これからも熱燗の魅力を教えてください。

フェスもZINEも第二弾を楽しみにしています。

3月20日
#JLL813 のナビゲーターでhenna artistの長井優希乃さんに描いていただいたmehndi。かわいいし不思議でおもしろい。ZIKOMO。

bjork orchestra。言葉が追いつかない感動。 地球に没入していった感じ。 音楽に出会った。 björkに包まれたいという夢が叶って幸せな夜でした。Takk!

3月21日
笑福亭羽光師匠がトリの末廣亭へ。オキシジェンさんで腹抱えて笑ってからの羽光師匠の「土橋萬歳」が最高で、没入かつ鳥肌ものとはこのことかと。演出も素敵で異世界に旅できました。落語や寄席初の仲間と一緒に楽しめたのも嬉しかった。おかわり必須の芝居。会期中また行く!https://syoufukuteiukou.com

3月22日
緒方彩乃・出演、中村蓉・振付/演出「家と暮らせばー日めくりダンス公演’最終回’」@家劇場。緒方さんも家もとっても楽しそうで嬉しかった。家主と家の息がぴったり。わたしもいつの間にか一緒に呼吸したり身体が動いてた。ちょっと泣きそうになったのはここだけの話。いってらっしゃい!門出に乾杯!

3月26日
『TRANSIT』No59 特集: 東インド・バングラデシュ。佐々木美佳さんの文章がとても素敵で、美佳さんの目を通じての混沌と素朴な光景が、わたしの目にも浮かんでくる。いやはや本当に旅人から住人になるんだもんなあ。尊敬。歓喜の街でたくさん喜びを見つけてほしいと心から思う。嗚呼インドが恋しい。

3月28日
ART DIVERさんより、琴仙姫さん(編)『朝露 ―日本に住む脱北した元「帰国者」と アーティストとの共同プロジェクト』を恵投いただきました。多謝。展覧会の記録にとどまらず、外の言葉が絡み、本になることでプロジェクトが途切れずに続き、さらに深まっていく。記録と記憶。https://artdiver.tokyo/product/morningdew…

3月28日
末廣亭で羽光師匠の「私小説落語ーお笑い編」に触れ帰宅し『朝露』を開くと、毛利嘉孝さんの文章に「記憶と記録」と。羽光師匠の落語と呼応するようで、この言葉らが深く突き刺さった。記憶と記録、そして輪を広げていくこと。私も文や落語会づくりで忘れてはいけない目指すべき地点だと考えた一夜。

2022/11/25に開催した 

野菜と日本酒と落語の会 第2弾「旅する落語―新潟編」@元映画館のアーカイブ映像の本編完成。

撮影・編集はキャラメルさん

笑福亭羽光師匠「俳優」 瀧川鯉津さん 「都々逸親子」 今夏に第3弾を企て中。お楽しみに

3月29日
お誘いいただいて、 #明日のアー の新喜劇へ。多謝。初明日のアーで、正直、新喜劇特有のお約束の笑い、このキャラクターが登場するだけで笑う!ってのにノレんかった。だけど、わたしは今一体、何を見せられてるんやろという謎の、そう未知の笑いを誘発させられて、人情話に感動しながらワロテタ。

次々と転がる笑いと繋がる物語と俳優さんの関係はまさに「あみだくじ」。新喜劇の新解釈と拡張と疑いを存分に楽しめる機会だと思ふ。追加公演も有なので是非。木馬亭もぴったり。

明日のアー の新喜劇『親切な寿司屋が信じた「3000万あるんですけど会ってもらえますか?」』 https://tumblr.com/asunoah

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