ARTIST NEWS RECCOMEND オンラインストア 企画記事 本/ZINE

\本屋しゃんのお店に新しく仲間入り!『塔を下から組むー北海道百年記念塔に関するドローイング展 記録冊子』/

投稿日:2021-02-19 更新日:

『塔を下から組むー北海道百年記念塔に関するドローイング展 記録冊子』が本屋しゃんのお店に新しく仲間入りをしました。

「塔を下から組むー北海道百年記念塔に関するドローイング展」とは、2018年11月1日〜11日にわたり、札幌のギャラリー門馬にて開催された「北海道百年記念塔」の解体議論を契機とした7名のアーティストのグループ展です。企画は美術家の佐藤拓実さん。

「北海道百年記念塔」

新潟生まれ、東京在住、北海道にはまだ行ったことがない本屋しゃんは、「北海道百年記念塔」の存在を知りませんでした。

「北海道百年記念塔」は、1968年、北海道百年記念事業の主要事業のひとつとして建設されたモニュメントです。高さは100年にちなんで100mで、雪の結晶を表現して六角形になっているんだって。すーーーっと空に向かって建つ姿は、突如、大地から生えてきた異世界の植物にも見えるし、近未来からやってきた人の基地にも見えてくる。ほら、妄想するって大切だよ笑。

展望スペースもあって、札幌市の街や石狩平野が一望できていたみたい。

「できていたみたい」、そうです、今ではそれは過去のことになってしまいました。2014年に老朽化が原因とされ立入禁止となり、2018年には、解体されることが決定しました。約50年、道のシンボルとして愛されてきた「塔」は、展望台としての機能を失い、今は解体の時を待つのみに……。

そんな、北海道百年記念塔の解体議論を契機に、アーティスト7名があつまって、塔に関する作品を製作し、「塔を下から組む」と題した展覧会を開催したのです。

展示タイトル「塔を下から組む」は、「物事に取り組むときは、まず基礎をしっかりと固めることが大切だ」という意味を持つことわざ「塔は下から組め」からきています。同展の企画者である佐藤さんは「この展示に集まったのは建築家ではなく美術家です。美術家は塔を建てずに作品を作ります。しかしそこでも『下から組む』というやり方無しでは作品も作れないのではないかと思うのです(記録冊子より)」と、展示タイトルに込めた想いを語られます。

作品制作、そして会期中に行われたアーティストトークなど、グループ展開催全体を通じ、社会問題と美術の関係やモニュメント、歴史の継承などのテーマを念頭に置いて議論を重ねてきたアーティストたち。どのように塔と向きあい、いかにして作品を「下から組」んでいったのでしょうか。

佐藤拓実さん紹介ページ(記録冊子より)

本書には企画者である佐藤さんによるコンセプトから、展示風景、各作家の作品が豊富な写真とともに紹介されています。そしてアーティストトークの記録や各アーティストの書下ろしエッセイ、さらに北海道百年記念塔に関する基本情報が収録されており、図録としてはもちろんのこと、資料として貴重な一冊。また付録として「北海道百年記念塔 年表ポスター」と、グループ展の出品作でもある短編小説『ひかりごけ』(白濱雅也:著)の小冊子がついてきます。

付録/右:「北海道百年記念塔 年表ポスター」、左:グループ展の出品作でもある短編小説『ひかりごけ』(白濱雅也:著)

 そういえば、本屋しゃんの地元・新潟市の万代にも「レインボータワー」という展望機能を持ったタワーがありました。ラーメンズが公演「TOWER」で新潟を訪れた際に、レインボータワーもいじってくれていたなあ笑。このレインボータワーもですね、悲しいかな、取り壊され過去のものとなってしまいました。名前の通り、レインボーカラーの塔で、展望スペースが昇降して、さらにくるくるっと回転するんですよ。小さい頃はよく乗っていたけれど、大人になるにつれ、幼き頃のキッチュな思い出として残るばかりで、いざ、レインボタワーの中へ!という気持ちにはならなかったし、横を素通りするだけで、もはや無視してしまっていたな。だけど、いざ、取り壊されてしまうと、塔の存在感はなかなかなものだったんだなあと感じました。失ってはじめて気づく……あの感覚。塔があったとあとにはぽっかりと空ができたようでした。ずっと無視してきた塔なのに、なんだかさみしいものですね。
 日本海タワーというのもあったけど、こちらも展望スペースは閉鎖されているのかあ……。塔を発端に、いろいろ蘇ってきてしまった……。街のシンボルと個人の歴史。

佐藤さんは、小さい頃に北海道百年記念塔にご家族でピクニックがてらお出かけしたり、小学校の校外学習で訪問したり、見慣れた風景であるとともに、思い入れのある場所だったようです。そんな自覚からはじまった、塔へのアプローチ、そして作品制作。佐藤さんはじめ、各アーティストの応えに触れることで、塔だけではなく、さらに俯瞰して北海道のさまざまな歴史や文化も見えてくるかもしれません。本屋しゃんのオンラインストアと、下北沢のBOOKSHOP TRAVELLERで販売中です。ぜひ、お手にとってご覧ください。

本屋しゃんのお店

https://honyashan.thebase.in/items/40227023

-ARTIST, NEWS, RECCOMEND, オンラインストア, 企画記事, 本/ZINE
-, , , ,

執筆者:

関連記事

ボテロ展ーふくよかな魔法@ Bunkamura ザ・ミュージアム~2022/7/3

夏に溶け込みたくて、真っ赤なカシュクールワンピースを着る。腰できゅっとリボンを結ぶ。なかなかうまく蝶々を作ることができた。白い靴下に白いスニーカー。夏空の下、爽やかで軽い足取りでいられるように。SHI …

\本屋しゃんおすすめイベントー east TOKYO BOOK PARK@錦糸町パルコ3階/

千葉市美術館に行くときは、錦糸町で乗り換えをするの。だから、錦糸町は最近ちょっとご縁のある街。千葉市美術館での仕事が始まる前は、足を踏み入れたことはほとんどなかった。一度だけ、河内音頭を踊りに行ったな …

\更新!おらゑもんさんからサルたちへの「好き」第2弾が届きました−連載シリーズ「あなたの『好き』をぶつけてください」/

本屋しゃんがメディアプラットフォーム「note」で行っているプロジェクト「あなたの『好き』をぶつけてください」。のんびりペースですが、じわじわと前へ前へ進んでいます。ところで、「あなたの『好き』をぶつ …

\世界の誰にも描けない君の絵を描いている 「江口寿史イラストレーション展 彼女」@東奥日報新町ビル New’sホール〜2021/5/9/

青森で開催中の江口寿史さんの展覧会「彼女」へ。本展では400点に及ぶ「彼女」たちの絵が集結しています。監修は、美術評論家の楠見清さん。青森はそれはそれはいいお天気でした。青空にはためく「彼女」フラッグ …

\ワタリドリ計画と深川の街をお散歩じゃ〜。「MOTサテライト2020 ハイファイブ–こころのこえ」〜2021/2/14/

麻生知子さんの絵本『こたつ』(福音館書店)がとてもお気に入りになりました。 \人が集まる場所っていいなあ。あったかいなあ。−麻生知子『こたつ』(福音館書店)/ そこで、他にも絵本を読んでみたいな〜と調 …