道中が大切なことに気づかされた。
と、画面越しのその人は答えてくれた。
目的があっても、その目的にたどり着くまでの道中が大切で、それも含めて一つの体験になっていると。
今は、オンラインで会議やイベントなどをしなくてはいけない必要性と、オンラインだからこそ容易に場所や時間を飛び越えられる可能性があるけれど、オンラインでは道中は実現しえない。目的に一直線で、終わったら余韻もなくプツンと切れてしまう。
どれくらい歩いただろう。
30分いやもっとだな。
山が青々と美しい、曇天もいいねえ、カエルの鳴き声なんて久しぶりに聞いたななんて思っていると、目の前にひとつのバス停がポツネンと佇んでいた。
「面白」
正確には何と読めばよいのか分からないけれど、なんだか笑かしてくれそうな良い名前だ。
実際に、笑った。最高じゃん、このバス停! って。
無駄に思えるところに面白が隠れていたりする。
道中、面白に出会えた。