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\取材していただきました:『LUKE magazine 』vol.3 Running on Empty. 僕らの上京ものがたり。 /

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今日は冬至ですって。
今、北千住の「家劇場」というところにいます。築約90年の古民家です。
緒方彩乃さんが家事をするように劇場をひらくための暮らしをする場所という素敵なコンセプトのお家です。そんな家劇場さんをお借りして、MIOKOさんの個展「たまにはヨソの布団の上@家劇場」開催中のため、ここ数日、MIOKOさんと2人で家劇場に缶詰めになっています。

MIOKOさんが先に帰った後、日が暮れだしたことも相まって、しんと静かになった家の中で、これを書いています。

ご紹介しなくては! と思っていたことを、えいっと書きはじめました。ここ数か月間、忙しく、なかなかブログを書く時間も体力も薄く……。
えいっのきっかけは、「家」にいるから、故郷のことを思い出したからかもしれませんし、MIOKOさんと母親について語り合っていたからかもしれません。

先日、母と娘で取材を受けるという経験をしました。
LUKE magazine 』 vol.3
「Running on Empty. 僕たちの上京ものがたり。」
の取材です。

とあるお仕事で、『LUKE magazine』さんと知り合い、光栄なことに「上京」をテーマにした次の号のために取材をしたいとご依頼いただきました。ありがとうございます。

『LUKE magazine』は「30代になってもティーンエイジャーの頃のように夢を追う人、自分の信じる道を見つけひたむきに今を生きる人、30代というさまざまな日常を生きる“Thirty-Agers(サーティエイジャーズ)”たちが❛本音❜を語るインタビューマガジン(公式WEBサイトより引用)」です。本屋しゃんも30代、何かしら自分で道を作って歩いていこうとしているはず……落ち着いたこともあるけど、不安は相変わらずたくさんあるし、やりたいことは増える一方だし、だけど体力のコントロールがだんだんうまくできない気もするし……そんな中で、『LUKE magazine』を通じ、いろんな人の生き方や想いを知ることができるのは、とても嬉しい。感謝。

「上京」の号では、16名のThirty-Agersが、それぞれの上京を決意した理由やきっかけを振り返っています。そして、忘れてはならない本書のおもしろさは親の声も入っているところ。16名のThirty-Agersの内の5名の親にもインタビューが行われていています。「親と子」、「送り出す者」と「出ていく者」の視点と想いを知ることができます。

本屋しゃんの母親もインタビューを受けました。インタビューを受ける前、自分自身のことだから、特に話す準備ための準備はいらないだろうという気持ちでいたのですが、いざ、インタビューをしていただくと、そりゃもう、覚えていない状況や気持ちがたくさん。わたしが上京したのは、大学を卒業してから。だから、もう10年以上前のことですね。上京のきっかけは夢を追うためでもあり、仕事のためでもあり、好きな人がいる場所に行きたかったという恋のお話でもあり……とさまざまな想いが入り混じっていたけれど、とてもポジティブな気持ちだったことは覚えています。ホームシックはなかったです。

ホームシックになったのは、大学生の頃、一人暮らしをはじめたとき。実家からも通える距離だったけど、大学の近くで一人暮らしをはじめたわたし。一人暮らし一日目の夜、ワンルームの小さな部屋で、部屋相応の小さいテーブルで、スーパーかどっかで買ってきたお弁当を夕ご飯として食べていた時、そっと泣けてきたのはここだけの話。だってさ、BGMとして流していた矢野顕子のCDから「ごはんができたよ」が聞こえてきてさ。「ごはんができたよって母さんのさけぶ声」って。誰もごはんができたよって叫んでくれないなあ、今日会ったこと話せないなあ、ってね。

そう、その時に比べたら上京することは楽しみが勝っていました。たくさん美術館行くぞー、本屋さん行くぞー、ライブも映画も古典芸能も……そしてわたしも作るぞー、インプットもアウトプットもたくさんするぞーって、ね。一番、上京の時に覚えていなかったことは親の気持ち。インタビューで上京するって決めた時、親御さんはどんな反応だったか? 何を言われたか? という質問をいただいた時、恥ずかしながら全く思い出せなかったのです。きっと、このこは何を言っても出ていくだろうと思われてただろうな……という推測くらいしか浮かばず。親の気持ちや、親を取り巻く状況について、ちゃんと向き合ってこなかったのかもなと、少し反省をしました。

母の取材記事は本を手に取るまで知らなかったのだけれど……はじめて触れる母の気持ちがたくさんありました。読んでいてこそばゆくなる箇所もあったけど、「本」を通じて、しかも第3者の「取材」というフィルターを通じて、客観的に、ある程度の距離をもって、母の気持ちを知ることができたのはよかったです。面と向かって聞くことこそ、こそばゆいですもんね。


まさか、母と娘でインタビューを受ける日がやってくるなんて思ってもいなかったので、新鮮で貴重な経験になり、個人的にも、母と娘の良い記録ができました。『LUKE magazine 』 vol.3「Running on Empty. 僕たちの上京ものがたり。」には、本屋しゃんだけでなくいろいろな方の上京物語が詰まっているので、気になる方は是非お近くの書店で探してみてください。これから、上京するぞーという方にもおすすめです。

年末年始は、わたしの「家」に帰ることができなそうですが、近いうちに帰省でもしようかな、なんて『LUKE magazine 』を読みながら思う宵。

あ、そろそろ家劇場を閉めなくてはいけないので、このへんで。
柚子かかぼちゃか買って帰ろうかしら。
では、また。



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