西日暮里の近くにある、高台からの眺め。
江戸時代に道灌山と呼ばれていたあたりです。なぜこんな地味な風景の写真を撮っているのか?というと、渡邉は「浮世絵と地形(高低差)」というテーマでフィールドワークを続けているからです。
今、年末に向けての某企画の準備で、休みの日はよく都内のどこかをうろうろしています。
ちなみに道灌山は、第1回のTRiPであお馬さんが演じられた「道灌」の題材になっている太田道灌の砦跡とも言われる地。
浮世絵、切絵図、地形図と見比べながら、浮世絵の描かれた地点を特定したり、地形との関係を考えたりします。写真のように、高台の崖際に浮世絵の描かれた地点が多いのも特徴の一つ。
またフィールドワークの際には、ちらっとその様子をお見せするかも知れません。
(文・渡邉晃)
あお馬さんが「道灌」を口演した第1回目の様子はこちらをどうぞ。
【プロフィール】
渡邉晃(わたなべ あきら)
太田記念美術館上席学芸員。博士(芸術学)。「没後150年記念 歌川国貞」「生誕290年記念 勝川春章」「江戸の凸凹」「江戸の土木」などの展覧会を担当。著書に『江戸の悪』『江戸の女装と男装』(青幻舎)、『浮世絵動物園』(共著、小学館)ほか。学芸員としての傍ら、ジャズピアニストとしての活動も続けている。都内のジャズスポットを中心に演奏を行うほか、自己のバンドにて第39回浅草ジャズコンテストのファイナル出場。NHKBSプレミアム「名画の暗号」にてアン・サリーとピアノ・デュオで共演。
太田記念美術館WEBサイト:http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/
太田記念美術館twitter : https://twitter.com/ukiyoeota
【TRiPの人たちとは】
「TRiP」は、柳家あお馬(落語家)、渡邉晃(太田記念美術館 学芸員)、本屋しゃんの3人が作る「落語と浮世絵が出会う落語会」の名前であり、チーム名です。それぞれ活動するフィールドは違えど、「落語と浮世絵」をジャンルを横断することでもっと楽しんでほしい! そして、双方の魅力を広げたい! という想いのもとチームを結成しました。「TRiPの人たち」では、あお馬、晃、本屋しゃんが一体どんな人なのか、普段はどんなことをしているのかなど、メンバー三人のそれぞれの活動やなんでもない日常をお届けしていきます。TRiPをもっと楽しんでいただくための、ふりかけのような、そんなブログです。