TRiPの人たちーあお馬・晃・本屋しゃん 企画記事 落語会

TRiPの人たちー本屋しゃん#09
夜の熱田神宮

投稿日:

今日は、あお馬さんのブログ「二人の『あおば』」への返答歌のようなお話を。

2024年に入ってから、愛知とご縁があり、たびたび出かけていました。
愛知は今まで未踏の地。蒲郡、豊橋、名古屋…きしめんにひつまぶしにちくわにピレーネ。仕事しつつ、はじめましての土地をあれこれと堪能していると、あお馬さんから「TRiPの人たち」の新しい記事を書いたよ~と連絡が。早速、嬉々として読んでみると、なんと名古屋のお話ではありませんか。名古屋公演の後に熱田神宮まで足を延ばしたとのこと。
あお馬さんの文章を読んで、俄然、わたしも熱田神宮に行かなくては! という気持ちがわきおこり、仕事終わりに行ってみることにしました。昼間にはなかなか行くタイミングがなかったので、夜も参拝ができることに感謝。

熱田神宮の入口に到着。
杜に近づくだけで、心がすっくとまっすぐに伸びたような心持になったのですが…。
結構暗い! 正直、ちょっと怖い。わたし以外誰もいないし…。
ドキドキしながら鳥居をくぐると、参道には灯篭がリズミカルに配されて、行くべき方向をぽわんぽわんと灯してくれていました。千住の地口行灯のようでちょっと嬉しい。

歩みを進めると御神木である大きな楠がありました。わたしは、南方熊楠が好きで…きっと、だからでしょう、楠の木に惹かれます。熱田神宮の大楠はそれはそれは立派で、真っ暗闇にライトアップされて浮かび上がる姿は神秘的。幹にびっしり生えた苔や地衣類のようなものたちが妙に美しく見えます。


と、大楠にうっとりしていると、後ろからザッザッという足音が……。ドキドキドキドキと心臓が高鳴ります…。やっぱり怖い。しかし、その足音の主がわたしと同じく、夜中に参拝に来た同志の者であるとわかると、怖さはやわらぎます。てか、わたしはどんだけビビりなんだ!

水舎で手を清め、いざ本宮へ。
夜の本宮は妖しく夜光に照らされて、えも言えぬ美しさ。
心の琴線がピンと張りつめて動けなくなるようでした。
空気が一段と澄んだようで、奥へ奥へと吸い込まれていきそうな没入感に襲われました。

参拝を終えて、帰路につくころには、来てよかったなあという気持ちに包まれました。
ドキドキしすぎたけれど、夜の参拝はとても素敵な体験でした。
夜の熱田神宮、おすすめです!

(文・本屋しゃん)

追伸
最後にご案内をさせてください。
次回のTRiPは「2024年11月16日(土)」に決まりました! テーマなど詳細は改めてご案内します。次回で5回目を迎えます。これもひとえに、応援してくださるみなさまのおかげです。ありがとうございます!

そして、わたしを熱田神宮に行こう! という気持ちにさせてくれた あお馬さんの会「柳家あお馬の落語会」が7月10日に東中野のポレポレ坐開催されます。とてもステキな空間で、あお馬さんの落語に没頭できること間違いなし。こちらもぜひチェックしてください~。

【プロフィール】
本屋しゃん(ほんやしゃん)

「本好きとアート好きと落語好きって繋がれると思うの」。そんな想いのもと、さまざまな文化や人や好きという気持ちを「つなぐ」企画を。展覧会/ブックフェア/落語会企画、執筆等。ジャンルを越えて奮闘中。新潟出身、北千住住。バナナ、日本酒が好き。

twitter: https://twitter.com/honyashan
instagram: https://www.instagram.com/honyashan/

【TRiPの人たちとは】

「TRiP」は、柳家あお馬(落語家)、渡邉晃(太田記念美術館 学芸員)、本屋しゃんの3人が作る「落語と浮世絵が出会う落語会」の名前であり、チーム名です。それぞれ活動するフィールドは違えど、「落語と浮世絵」をジャンルを横断することでもっと楽しんでほしい! そして、双方の魅力を広げたい! という想いのもとチームを結成しました。「TRiPの人たち」では、あお馬、晃、本屋しゃんが一体どんな人なのか、普段はどんなことをしているのかなど、メンバー三人のそれぞれの活動やなんでもない日常をお届けしていきます。TRiPをもっと楽しんでいただくための、ふりかけのような、そんなブログです。

【これまでのTRiP】

これまでのTRiPの活動のアーカイブページです。各会の詳細、レポートはこちらから。

-TRiPの人たちーあお馬・晃・本屋しゃん, 企画記事, 落語会
-, , , ,

執筆者:

関連記事

TRiPの人たちー柳家あお馬#05
定紋「丸に二つ鈴」

わたしあお馬の定紋は「丸に二つ鈴」です。 大師匠の鈴々舎馬風師匠の一門には鈴の紋を使用している先輩が珍しくないため、私も鈴をモチーフに、誰もまだつけていない「二つ鈴を」定紋としています。 ポップでかわ …

\ファッションモデルMIOKO はじめてのZINE『だいたい布団の上。』/

『だいたい布団の上。』 どろんどろんに体も頭も心も溶けてしまいそうな言葉。春眠暁を覚えず。まどろみながら程良い温かさの中、もそもそするのも良い。夏。朝起きたらふわっとかけていたタオルケットがどっかにい …

【企画記事】手紙10:一條宣好さま「美しい普通の日々」中村翔子より(2020年3月30日)

一條宣好さま3月30日(月)昨日は雪!!でしたね!!季節外れだけど、雪国出身者として、雪ってちょっと嬉しかったりもします。 拝復。嗚呼、返信ができていないメールがたまっているわ・・・と、そっと受信トレ …

TRiPの人たちー本屋しゃん#06 虹かかる空

なんと8月も最終日! まだまだ暑い日が続きますが、夜道を歩いていると秋の虫が鳴いていて、風もそっと涼やかで、ああ、秋も近いですね。今年の夏はたくさん虹を見ました。 もともと空をぼんやり眺めるのが好きで …

【レポート】立川寸志の落語夜学会~「ことば」でひらく落語の世界~第1回:江戸の「やばい」ー2024年6月20日(木)@BOOKSHOP TRAVELLER

「大入」の札を貼る。赤地に白抜きのその文字が、だんだんと薄暗くなってきた祖師ヶ谷大蔵の街に灯された明かりのように浮かびあがる。大入り札止めで幕を開けられることはとても嬉しく、そしてとてもありがたい。2 …