BLOG RECCOMEND オンラインストア 企画記事 展覧会 本/ZINE

\いっぱいいっぱいありがとうございました!「忘れられた江戸絵画史の本流」展「江戸狩野派の古典学習」展図録のこと/

投稿日:2021-07-07 更新日:

ご縁あって、静岡県立美術館で開催された「忘れられた江戸絵画史の本流」展「江戸狩野派の古典学習」展図録を販売させていただくことになった本屋しゃん。まずはご報告を。再再再入荷までさせていただきましたが、全て完売となりました。本当にたくさんの方にご購入いただき心より感謝申しあげます。

https://honyashan.thebase.in/items/46135494



本屋しゃんは、書店員時代に、日本全国の図録のバイヤー(バイヤーとかいうとかっこい良すぎてムズムズするね)をしていました。日本美術の棚を担当していましたが、古今東西関係なく、お客様に届けたい!素敵な展覧会を図録を通じて知っていただきたい!そもそも本としてめっちゃ素敵な図録じゃ!と、ビビビッときた図録は積極的に仕入れるように努めていました。中でも、地方の美術館の図録をもっともっと届けたいという思いが強かったです。そこで、静岡県立美術館の図録も取り扱わせていただいていました。2017年の「美しき庭園画の世界」展(http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/exhibition/detail/31)、そして2018年の「幕末狩野派」展(http://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/exhibition/detail/46)の図録です。どちらも気骨ある図録で、仕入れさせていただき、販売させていただいたことがとても嬉しかったことをよく覚えています。

さらに遡ると……わたしと静岡県立美術館の縁は、川西由里さん(島根県立石見美術館)、工藤健志さん(青森県立美術館)、村上敬さん(静岡県立美術館)の3名による視覚文化研究チーム。視覚文化研究チーム「トリメガ研究所」との出会いにはじまりました。はじめて、トリメガさんを知ったのは「美少女の美術史」展。地方の3つの美術館の学芸員さんがチームを組んで展覧会を企画?! なんておもしろい&展覧会や美術館の可能性を深める活動なんだ! と感動し、以降、光栄なことにトリメガさんのトークイベントを企画させていただいたりしています。

そんな、さまざまなご縁が重なって、この度、「忘れられた江戸絵画史の本流」展「江戸狩野派の古典学習」展図録を販売させていただきました。ニコニコ美術館にて、本展がフィーチャーされた際に、みなさまのあたたかい計らいで「本屋しゃんのお店で図録が買えるよ〜〜」とご紹介いただき心より感謝です。そして、初回入荷分はほぼ瞬殺、再入荷も再再入荷も、再再再入荷分もすぐに売り切れるという勢いでした。お客様にはご迷惑をおかけしてしまい申し訳ない気持ちとともに、それでも再入荷を待って、本屋しゃんのお店を選んでご購入いただけたことが嬉しかったです。



現在、わたしは「本屋しゃん」という屋号でひとりで活動をしています。そんな本屋しゃんの活動のひとつが「本屋さん」です。書店に務めていた頃とは違い、場所などの物理的な障壁、体力や時間など自分自身の限界を感じることも多く、たまにくじけそうになることも……。しかし、今回、ひとりだからこそできること、小回りが効くことも大切ということを感じることができ、多くのことを学ばせていただきました。ひとりだからできないのではなく、ひとりだからこそできることもある。いや、正確にはひとりではないんですけどね。たくさんたくさんの方に支えられていることは重々承知していますし、感謝しかありません。

再再再入荷までで、本屋しゃんが仕入れさせていただいた冊数はヒミツとさせていただきますが、納品の段ボールを開けるごとにとても幸せな気持ちになりました。書店員時代は、毎朝、数百冊の本をダンボールから取り出して、配架をしていたのですが、その時の喜びがフッと蘇ったのでしょう。大変だけど、愛おしい大変さなのです。

兎にも角にも、みなさまに御礼を伝えたくて、今の想いを書きました。
素晴らしい展覧会の素晴らしい図録をみなさまの元にお届けできたことが幸せでした。みなみなさまに心より感謝です。

「忘れられた江戸絵画史の本流」展&「江戸狩野派の古典学習」展は、静岡県立美術館さんならではの、ここでしかできない、ここだからこそできた展覧会だったのではないでしょうか。わたしもいちアートファンとして静岡県立美術館さんのこれからの活動もとっても楽しみです!


本屋しゃんも、今回の件で図録バイヤー魂が再燃したので、ひとりだからこそできることを丁寧に考えながら、美術館とお客様の架け橋になることができるように、走り続けようと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

デザイン:川添英昭
制作・印刷:ライブアートブックス
内容はもちろん、デザインも印刷も最高です!

追記(2021.07.16)

本図録に、以下の正誤表の通り、誤りがあったことを静岡県立美術館より連絡いただきましたので、みなさまに共有いたします。お手数おかけし恐縮ですが、正誤表をダウンロードのうえ、ご参照ください。

静岡県立美術館お知らせページ↓http://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/news/detail/226

正誤表↓http://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/uploads/files/%E6%AD%A3%E8%AA%A4%E8%A1%A8%286%29.pdf
なお、正誤表に関するお問い合わせは、お手数ですが、美術館に直接ご連絡をお願いします。

展覧会情報

忘れられた江戸絵画史の本流—江戸狩野派の250年

会期:2021年05月22日(土)〜2021年06月27日(日) 【終了】
会場:静岡県立美術館

http://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/exhibition/detail/76

江戸狩野派の古典学習—その基盤と広がり


会期:2021年05月18日(火)〜2021年06月27日(日) 【終了】
会場:静岡県立美術館

http://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/exhibition/detail/79

本展は終了していますが、ニコニコ美術館のアーカイヴ動画で楽しむことができます。ぜひ!

https://live.nicovideo.jp/watch/lv332367162


-BLOG, RECCOMEND, オンラインストア, 企画記事, 展覧会, 本/ZINE
-, , , , , ,

執筆者:

関連記事

\本屋しゃんの旅–倉敷で棟方志功に出会う−大原美術館と倉敷国際ホテル(勝手に選書付)/

倉敷では「倉敷国際ホテル」にお世話になりました。JR倉敷駅から歩いて10分くらい。倉敷美観地区の入口のすぐそば。 ホテルの前につくと、どっしりとした雰囲気のある佇まいに驚いた。いつもの一人旅で、宿泊先 …

\階段をのぼると……そこは本屋さんでした/

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった」(川端康成『雪国』)。あまりにも有名な『雪国』の冒頭。本屋しゃんも、冬に、地元・新潟に帰省をする時、新幹線でトンネ …

【レポート】TRiP ー落語×浮世絵ー
第4回 テーマ:にぎやか
年3月16日(土)@仲町の家・北千住

2024年3月16日にTRiPー落語×浮世絵ーの第4回 テーマ「にぎやか」を開催しました。迎えた当日はここ最近のなかでも、とてもあたたかい陽気。桜こそまだ咲いていなかったですが、空はすみわたり、これか …

TRiPの人たちー渡邉晃#02
「自転車熱」

 「TRiPの人たちー渡邉晃#01」でもお話したのですが、渡邉は「浮世絵と地形(高低差)というテーマでフィールドワークを続けています。年末に浮世絵と地形の本の出版をひかえていることもあり、今年は休みの …

\ありがとうございます!「えんぎやど」から感謝の気持ちを/

本屋しゃんがすぐに蚊に刺されるので、そっと蚊取り線香を傍に置いてくれる澤の屋さん。嗚呼、いい香り。夏の終わりと秋のはじまりがとけあう香り。今日、2021年9月23日は秋分の日。「暑さ寒さも彼岸まで」と …