BATICA BLOG NEWS RECCOMEND WORKS 展覧会 選書

\本でも楽しむ千葉市美術館の展覧会:「平木コレクションによる 前川千帆」展&コレクション展「江戸絵画で笑おう」〜2021年9月20日/

投稿日:

2021年7月13日から千葉市美術館では2つの企画展がはじまります!

「平木コレクションによる 前川千帆」展
そして、同館のコレクションを元に企画された「江戸絵画で笑おう」

前川千帆(まえかわ・せんぱん 1888-1960)。
チラシやポスターがかわいらしいデザインが千帆の魅力をとってもステキに伝えてくれているなあと感じているのですが、「センパンさんのほのぼの版画ワールド」のキャッチフレーズのとおり、ほっこり、ほのぼのできる画風で愛されている創作版画家です。木版です。展覧会タイトルのフォントも木版のようで、千帆の技術についてもデザインを通じて発信されているのは秀悦! デザインの力ってすごいですね。

そして、「笑い」をコンセプトに千葉市美術館のコレクション品によって作られた「江戸絵画」の展覧会。ほのぼのセンパンさんワールドに、笑える江戸絵画とは、2021年の夏の千葉市美術館は、何やらとっても楽しいことになっておりますよ〜!

今回も、この2つの展覧会をもっと楽しんでいただくために、ミュージアムショップのBATICAでは本屋しゃんが選書をしたブックフェアを開催!!!

しかしですね、センパンさんの書籍は残念ながら現在手に入るものがほとんどありません。そこで、センパンさんの魅力を、その周辺から感じてもらおう!という想いからブックフェアでは、センパンさんの絵の先生、同期の版画家や漫画家に関する本、さらに、センパンさんの生きた時代のにタイムスリップしていただくために、その時代の様子がよく伝わってくる小説や民俗学書などをご用意しました。

センパンさんの洋画の先生である浅井忠
センパンさんとともに創作版画家の「御三家」の一人とされていた恩地孝四郎
センパンさんに師事した畦地梅太郎
昭和49年に山と溪谷社より刊行された畦地の版画集『山湖』では、畦地は「山の意を得山の言葉を知る唯一人」であるとセンパンさんが序文を寄せています。
センパンさんとともに日本版画会の設立メンバーの一人であった棟方志功
センパンさんと同じく昭和期に新聞漫画でも活躍した長谷川町子 
センパンさんが晩年を過ごした荻窪
前の芸名「悠木千帆」はセンパンさんにあやかったという樹木希林

などなど。

さらに、店内様々なところにセンパンさんを彷彿させる本をちりばめています。センパンさんが愛した版画の魅力を、子どもから大人まで、現代の版画作品からも感じていただきたいなと思い、版画で作られた絵本も集めました。忘れちゃいけない温泉本も!!

江戸絵画もほっこりした作品がテーマになっているのに、内容充実な気骨ある本を集めましたよ〜。禅画あり、花鳥画、戯画、妖怪ものあり!

ちなみに、「ほのぼの」という言葉は、夜が明けてかすかに明るくなる様子という意味があるようです。明けない夜がないとシェイクスピアも言っていますよね。まだまだ大変な時期が続いて、心身ともに疲れちゃうし、ああ、この暗がりはいつ明けるんだろうという気持ちにもなってしまいますよね。しかし!今年の千葉市美術館の企画展に触れたら、きっと「ほのぼの」と、明るい光が差しこんできて、自然と笑顔が溢れてくると思います。

そんなみなさんの「ほのぼの」に、BATICAの本たちも寄り添うことができたら幸せです。

どうかみなさま、ステキな夏を!!

センパンさんの作品は小津映画的?!

展覧会情報

平木コレクションによる 前川千帆展

会期:2021年7月13日(火)〜2021年9月20日(月・祝)
会場:千葉市美術館

※詳細は美術館公式サイトをご覧ください。

コレクション展 江戸絵画と笑おう

会期:2021年7月13日(火)〜2021年9月20日(月・祝)
会場:千葉市美術館

※詳細は美術館公式サイトをご覧ください。

千葉市美術館 過去記事

-BATICA, BLOG, NEWS, RECCOMEND, WORKS, 展覧会, 選書
-, , , , , , , , ,

執筆者:

関連記事

【レポート】「TRiP ー落語×浮世絵ー」野草興行 ヨコトリップ!@ル・タン ペルデュ(野毛) ー2024年6月2日(日) /第8回横浜トリエンナーレ応援プログラム

奇しくもこの日は、横浜開港記念日。1859年6月2日に横浜港が開港した。そして、2024年6月2日、TRiPが横浜の野毛で野草興行を決行した。この偶然の重なりにいくばくかの喜びを覚え、TRiPが、そし …

\本屋しゃんの旅–尾道・山手の茶店「帆雨亭」で志賀直哉とピザトーストと珈琲と。/

そうだ、招き猫つくろう。そう思い立ったのは、昨夜。きっと、お酒を飲んでいたこともあって、いつもの「いらんことしい」気質に火がついたのでしょう。尾道の山手に位置する宝土寺観音堂にある「招き猫工房」で、招 …

【レポート】大道芸術館 落語会
笑福亭羽光 墨東「艶」噺ー2023年4月22日(土)

ピンク映画のチラシがびっしりとに敷かれたカウンターで、ひとりちびちびと瓶ビール「赤星」を飲む。生ビールをぐびぐびと飲むのは大好きだけど、最近、瓶ビールをゆっくり楽しむのもいいものだなと思うようになって …

\本屋しゃんの旅-おのおの倉敷の太陽に集まって。夕方のアンデルセン広場と早朝の美観地区(勝手に選書付)/

倉敷に着いたのは夕刻。尾道から倉敷は山陽本線で1時間ちょっと。学生さんやお仕事帰りの方たちに混ざって電車に揺られる。スタバの新作のなんちゃらフラペチーノがおいしいとか、テストの点数が散々だったとか、部 …

緒方彩乃・出演、中村蓉・振付/演出
「家と暮らせばー日めくりダンス公演《最終回》」@家劇場-2023.03.22

なんでーーー。取っ手に手をかけて、右側をちょいと持ち上げると開く……んじゃなかったの。なんで、そんなにズバッと、キレよく、勢いよく開くんだよ、引き戸よ。あんなに開けることに苦戦していたのに。しかも力を …