ARTIST BLOG RECCOMEND 展覧会

\きっとこの世界はそう簡単にあっちとこっちに分けることは難しくて。:大津萌乃 個展「靄の町 -もやのまち- 」〜2021/3/22@ondo 清澄白河/

投稿日:

あれ?
ここって、きたことあるっけ。

はじめて訪れたところのはずなのに、なんだか見覚えがある景色。
夢で見たのかな、そんな気もする。

だとすると、ここは夢の中?
いや、正夢というやつ、か。
そんな不思議な体験をたまにすることがある。



朝、目が覚めて、今までの出来事が夢だったことを安堵したり、もう少しその世界に浸っていたかったと思うときもある。時には、朝がきたことにうまく馴染めないくらい、夢の中を生きているときもある。ここはどこ?さっきまでいた場所はどこへ? 嗚呼、だけど、もう、うまく思い出せない。曇りガラスの向こう側に行ってしまったわ。



散歩してたら、猫柳の蕾が膨らんでいることに気づく。
春の気配を感じながら、母のお腹に弟が宿ったとき、もう直ぐで生まれるよという時に、小箱に猫柳をいっぱいに詰めて母にプレゼントをしたことを思い出した。春の光のベールの先に、そんな思い出がぼんやり浮かびあがる。

こんなふわっとした気持ちを思い起こさせてくれたのは、現在、清澄白河のondoで開催中の、イラストレーター大津萌乃さんの個展「靄の町 -もやのまち- 」です。

靄の町はどこにあるんだろう。
そう、わたしの中にもありました。

夢か現か、その真ん中、そんな世界がきっとあるのです。

こっち側とあっち側。
裏と表。
右と左。
あなたとわたし。

2つにはスパって切ることができない世界があるのよ。
誰の中にも。


YESかNOかで答えを出さなくちゃいけない日々。
靄の町を歩いてみるのはとても大切な時間だと思うんだ。



相変わらず、大津さんの線は滑らかで美しかった。
どこの国の人かしらと思わせる人々は、まさに靄の町の住民のようで、どこかで会ったことがあるような、さっきそこですれ違ったような、不思議な気持ちになった。



額装も、光を柔らかく通し、良い方法だなあって頷いた。




ondoさんのギャラリースペースは、太陽がいっぱいでとても好き、
靄の町にちょっと迷い込みたい方は、ぜひ、ondoさんへ。

展覧会情報

大津萌乃 個展「靄の町 -もやのまち- 」

会期:3.12 (金) − 3.22(月) 12:00–19:00 ※最終日17:00まで
会場:ondo STAY&EXHIBITION(〒135-0024 東京都江東区清澄2-6-12)

※詳細はギャラリーWEBサイトをご覧ください
https://ondo-info.net/gallery_tokyo/ondo/exhibition/?id=20299

関連記事

-ARTIST, BLOG, RECCOMEND, 展覧会
-, , , , ,

執筆者:

関連記事

\タイムラグを愛おしむ:SAME SAME SAME BUT DIFFERENT@BOOKSHOP traveller 下北沢〜2021/3/28、その後様々巡回するよ!/

シャッターチャンスは3回だけ!Simple Use Film Camera で撮影したら次の人へ!撮った写真が複数箇所で展示、zineにもなる、参加型企画それが、“SAME SAME SA …

\脳がパカーって開いて、考えることが楽しくなりすぎる本。:藤原麻里菜さん『考える術 人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』(ダイヤモンド社)/

発明家で映像クリエーターの藤原麻里菜さん。わたしは、藤原さんの「無駄づくり」が大好き。無駄を考えるプロフェッショナル。 効率的に!合理的に!が良しとされることが大半の現代。「無駄」はどんどん排除され、 …

\本屋しゃんの旅−岡山の「スロウな本屋」ではじめ人間の感覚を研ぎ澄ませた(勝手に選書付)/

倉敷の蟲文庫さんを後にして、昨日出会ったおばあちゃんたちに教えてもらった地元民御用達のうどん&そば屋「志乃屋」さんで腹ごしらえ。さほど広くない店内は、ご近所で働いていると思しきおじさまがたで賑 …

\本でも楽しむ千葉市美術館の展覧会「新版画 進化系UKIYO-Eの美」~2022年11月3日/

千葉市美術館では2022年9月14日~11月3日に「新版画 進化系UKIYO-Eの美」展が開催されます。 このたびも、光栄なことに本屋しゃんは本展にあわせた選書&ブックフェアづくりを担当いたしました。 …

\本屋しゃんおすすめ展覧会:小瀬古文庫個展「擬態するデザイン #2」@下北沢・BOOKSHOP TRAVELLER〜12/20→12/22(勝手に選書付)/

本屋しゃんも間借りでお世話になっている、下北沢の本屋のアンテナショップ BOOKSHOP TRAVELLERは2020年7月にバロンデッセの3階に移転してからギャラリー活動も精力的で、ガシガシと魅力的 …